これはTwitterに呟くには長くなってしまうし、かといって自分の中で消化しきれないと思ったので、
ここのブログで成仏させようと思う。
昨日私は最寄りの駅のホームを歩いていた。
目の前には同じくらいの歳の女性が歩いている。
ふと彼女はカバンから携帯を取り出した。
その拍子に何かが落ちたのである。
気付かずにそのまま歩いて行く彼女を私は咄嗟に「あの…!」と呼び止める。
落としたものを拾おうと視線を地面に移した。
……蒟蒻畑?
そこにあったのは紛れもなく蒟蒻畑だった。
そう、あの蒟蒻畑だ。
私が呼び止めたことで目の前に立ち止まっていた彼女は蒟蒻畑を拾おうとする私を見てなんとも言えん顔をしている。そりゃそうだ。私があなたの立場でもそうなる。まだ携帯落として画面割れたくらいの方がダメージは浅いだろう。彼女は今メンタル迷子状態だろうし拾った私もだいぶメンタル迷子だよ。
知らん人間に駅のホームに落とした蒟蒻畑を拾われるのだ。そもそも駅のホームに蒟蒻畑を落とすこと自体人生で1度も経験しない人間の方が多いだろう。
なんなら私が呼び止め、落としたものを見た時点で、そのまま走り去って他人のふりして逃げることだって出来たはずだが、彼女は強かった。
「ありがとうございます」
そう言って私の元に歩み寄った彼女は笑顔で蒟蒻畑を受け取ってくれた。
彼女がもし逃げていたら、
私は完全にただ駅のホームで蒟蒻畑を片手にうろつく挙動不審なヤバい人間になるところだったが、そうなるのを防いでくれたのだ。
あんたは強い。強いよ。
私がアメリカ人なら多分無意識に固い握手を交わしていたが、さすがにそれは距離感バグり散らかしてるのでやめろと全力で日本人の理性が働いてくれて助かった。アイムジャパニーズ。
彼女の人生に幸あれ。あわよくば次カバン開けたら蒟蒻畑が2個になってるイリュージョンとか起きろ。
そう思いながら私はちょうど来た電車に揺られ、仕事に向かった。
元気かな、あの蒟蒻畑