おはようございます
こんにちは
こんばんは
いただきます
ごちそうさまでした
最後2行調子乗りましたが、
別に何も食べ始めてませんし、何も食べ終わってません。
もう一生しないので許して下さい。
タイトルにもなっていますが、
本日は3時間クッキングについてお話しします。
「なんだそれは」そう思った方、安心して下さい。私もこの言葉を発するのは人生で初めて。
コロナの影響で勤め先が休館となり暇を持て余した私の姉は突然意味不明なことを言い出しました。
「あー、暇だから餃子作るわ。皮から。」
……………ん?
「皮からって言った?今皮からって言いましたこの人?」と隣に居た母が私に目で訴えてくる。
言いましたね。完全に言いましたね。
私たちがこんなに驚くのにも理由がある。
私の姉は普段キッチンにすら立たない完全に食べる専門系女子なのである。
そんな人間が「餃子を作る」と言っただけでも時空が止まるのに「皮から」ってなんだよ…明日の日本は吹雪かな….と思いながら私と母は姉の餃子作り(皮から)を暖かく見守ることにした。
とりあえず「さぁ!作るぞ!」とキッチンに行った姉が「薄力粉どこー?」と言いながら真顔で片栗粉を取り出すところから物語はスタートする。
オイオイオイオイちょっと待て。
貴様は何にトロミをつける気だ。
と全力でツッコミを入れたところ
「冗談に決まってるじゃん〜」と言われたが冗談に聞こえないから怖い。その変な遊び心は今すぐ捨て去れ。
どうしよう不安だ。
不安でしかない。
私達は今晩何を食わされるんだ。
しかしこうなったらもう開き直るしかない。
毒さえ入ってなけりゃいい。
そこから黙々と餃子(の皮)を作り続ける姉。
しばらく経った頃、私はキッチンを覗きに行った。
「この生地を30分ほど冷蔵庫で寝かせます」
なにその3分クッキングの先生みたいなトーン。
言っとくけど「そして30分寝かせたものがこちらになります」っていう鉄板の流れは用意してならないからな。
そして冷蔵庫で寝かせた生地を、ひたすら丸く伸ばしていくのだが、ここまでで既に2時間経過。
この辺りで
「私達は今日中にこの餃子を食べることができるのか」という疑惑が浮上し始めた。今晩のおかずが無くなる。さすがに心配になり私と母はとりあえず具を作ってあげることに。
具を作り終えた頃、ちょうど皮の作成も終了。何故か姉のおでこに薄力粉が死ぬほど付いていたがもはや誰も触れなかった。みんなの疲労がすごい。
さぁ後は具を包んで焼くだけだ。
そして包み始めて全員が思ったことだろう。
「皮めっちゃデカいな🙂」
おかげさまで小さめの握り拳くらいの大きさの餃子達がバンバン出来上がっていく。終盤になるに連れ、もはやこれは餃子なのか肉まんなのか分からなくなりながらもひたすら具を包みまくった。
そんな時、キッチンに顔を出した父。
「夕飯が食べたければ手伝え」
と母がやんわり目で恐喝した結果、父がリビングに戻ることはなくそのまま焼く係に任命された。
結局、姉が1人で「皮から作る!」と始めた餃子作りは家族4人総出でフィナーレを迎え、全部を焼き終えた瞬間台所は謎の拍手に包まれた。いやマジでこれ何なん。
何はともあれ、色んなことを乗り越えて完成した餃子と肉まんの間みたいな食べ物。普通に美味しすぎたのでオールオッケー。
最後にひとつだけ。
みんな、餃子の皮は買え。
(完)