夢の国は果てしなく夢の国だった話

 

こんばんは。

 

 

突然だが、皆さんは携帯電話を落としたことは

あるだろうか。

 

これはあるでしょ。

トイレには閉じ込められなくとも

携帯落とすくらいはあるでしょ。

 

もちろん落としたことなど無いのが望ましい。

しかし私だって少しくらい共感を得たい。()

 

携帯に限らず財布やら鍵やらの貴重品を

落とした時の時空が止まるあの感じ。

伝わるだろうか。

 

私はそれを夢の国でやらかすのだ。

 

トイレの件(過去記事)といい、

なんかもうここまで来ると不運とかの域を

通り越して奇跡と呼びたい。呼ぶわ。

 

その日は夏だった。

始発のバスで最寄り駅に向かい、電車に揺られて夢の国に辿り着いた。ちなみに陸の方。

 

最初に向かったのはスペースマウンテン。

 

朝の9時から急上昇、急降下、急旋回。

ワクワクが止まらない。

 

友達と馬鹿なことしながら、順番を待っている時間すらも尊い。夢の国の醍醐味である。

 

さて、私は友達と話しながらアトラクションに乗る直前まで携帯をいじっていた。そしてポケットにしまったのだ。

 

ここまではしっかりと記憶がある。

 

アトラクションを乗り終え、

しばらく歩いていた時、

ふと携帯を見ようとポケットに手を入れる。

 

そこに携帯の姿は無かった。

 

 

私の後に乗り物を降りた友達も、

私が座ってた席には何も残ってなかったと言う。

 

となると

失くすタイミングはどこにあっただろうか。

イリュージョンなのだろうか。

もしくは私がミスターマリックなのだろうか。

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(やめろ)

 

 

 

みるみる顔が青ざめる私。

隣で「アホだな〜」と笑う友人。

 

しかしこの友人の笑顔も数時間後に消滅することになるとは、誰も思っていなかった。

 

とりあえず私達は落し物センターに行き、

受付のお姉さんにその旨を伝えると、

携帯電話の特徴、機種、いくつか質問されたのだが、

最後の質問に私は困惑した。

 

「待受画面はどんな感じですか?」

 

 

 

 

 

 

 

ミニオンだ。

やっちまった。

ゴリゴリにミニオンだ。

 

何故よりにもよって某USJの人気キャラクターを待ち受けにしていたのだろうか。

ここはディズニーだぞ。分かってんのか。

今すぐ超能力でドナルドあたりに変えられないだろうか。

 

そんなことを考えつつ、

何となく気まずい私は史上最強に小さい声で

「黄色いモンスターみたいなやつです」と答えた。

 

モンスターみたいなやつってなんだよ。

それはもうモンスターだよ。

 

というキャストさんの心の声が聞こえてきそうだったが、何とか見つかることを祈ってパーク内に戻った私達。

 

もうこうなれば開き直るしかない。

【丸1日携帯使わずに夢の国満喫してみた】

って題名でYouTuberデビューしてやろうか。

 

気持ちを切り替えようとしたその時、

隣を歩く友達の足が止まった。

 

 

 

「サングラス……どっかに落とした……」

 

 

 

 

何だこの出来過ぎたストーリーは。

落し物のエレクトリカルパレードでもする気か。

 

重い足取りでもう一度落し物センターに戻る。

 

「(あれ?先程どこかで…)」

といった顔をした受付のお姉さん。

そうです30分前ここに居た携帯を落としたポンコツです。こんにちは。

 

慣れた手つきで本日2度目の落し物の手続きを済ませ、パーク内に戻った私達。

なんだろう。

もうここまで来ると何も怖くない。

空から急に隕石が降ってきても避けられるくらいの自信すら出てきた。

無敵である。

 

 

そんなこんなで楽しい時間はあっという間。

夜になり帰宅する前に向かう先はもちろん落し物センター。

私達の落し物は届いているのか。

 

ドキドキしながら受付で手続きをし、

ロビーで結果を待った。

 

そこにキャストのお兄さんが

果てしなく悲しい表情をして歩いて来る。

 

あー、無かったんすね!了解です!アザシタッ☆

って泣きながら走って帰ろうとしたその時、

 

「お探しの品物ですが…こちらですか〜😏?」

 

とサプライズ感たっぷりに差し出されたのは

紛れもなく私の携帯。そして友達のサングラス。

 

 

気付いたら私達はお兄さんと固い握手を交わしていた。

隣の友達は笑いながら泣いている。

もう感情が迷子。

 

 

「大変ご迷惑お掛けしました…」

とキャストの方々に深々と頭を下げて私達はその場を後にした。

 

にしても、あんな広い敷地の中で

携帯を落としてもちゃんと戻ってくる

夢の国ってどこまでも凄いですね。

ちなみにこんだけランドの話した後に失礼すると

私は断然シー派です。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

(完)